ホスピタリティマナーとは、目には見えない「相手を思う心」を表したものだ。
相手への思いやりや優しさ、気配りやおもてなしの気持ちを、言葉遣いや立ち振る舞い、表情、身だしなみ、挨拶などで形に表して相手に伝える方法のことである。介護現場におけるホスピタリティマナーは、デパートやホテルなどのサービス業のマナーとは少し異なる。
プライバシーに関わる部分の介助も発生する介護現場では、介護スタッフと利用者の距離感がより近くなるためだ。介護士のほとんどは、利用者を思う気持ちや優しさ、親しみを持って接している。しかし、利用者へのマナーが伴っているかと言えば、必ずしもそうではない。
利用者と介護士がまるで家族のように親しくなるにつれて、介護士が過度に馴れ馴れしくなったり、態度や言葉遣いが横柄になったりと礼儀をわきまえない態度をとってクレームにつながってしまうことがある。これはまさに、ホスピタリティはあるもののマナーが欠けているケースといえる。
このように、利用者と介護士が親しくなったからといって、マナーをおろそかにするのは禁物だ。親しみやすさと馴れ馴れしさを混同してしまうのは、介護士にありがちなミスだといえる。
たとえ利用者と家族のように接していても、介護士は仕事であることを忘れずに利用者との距離感を持ち、マナーを大切にしなくてはならない。そうすることで、利用者のみならず利用者の家族からの信頼を得ることができ、介護士自身をクレームから守ることにもつながる。介護に必要なマナーの詳細は、こちらのサイトも見てしっかり確認してほしい。